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2020.5.19

[新型ウイルス]新潟市など分散登校本格化 新潟・小針中ルポ 部活指導心のケア重視 学習遅れ対策に知恵絞る

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が14日に解除された中、公立小中学校について今月下旬以降の通常登校再開を目指す新潟市、長岡市などで、分散登校が本格化している。各学校では休校長期化で学習進度が遅れがちになっており、今後の学習の進め方について知恵を絞っている。部活動でも、少なからぬ指導者は、各種大会の中止などでショックを受けている子どもを気遣っている。一例として小針中(新潟市西区)をルポした。(報道部・河野雄也)

分散登校開始から2日目となった15日。小針中の各教室では、感染予防のため、本来のクラス定員の約半分の15人ほどで午前学習を受けていた。「地球が抱えている問題にはどんなものがありますか」との理科教員の問いに対し、生徒からは「温暖化」「新型ウイルス」といった回答が上がった。
高校受験を控え、不安を抱えている3年生は多い。「受験までに全カリキュラムが終わるか心配。ただ、感染予防に気を付けながら頑張るしかない」。複雑な胸中を明かした。
小針中のグラウンドでは、生徒が距離を取りながらランニングで汗を流す姿もあった。

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過密状態の緩和と再開に向けた準備が狙いの分散登校。新潟市の小中学校では、来月1日からの通常登校を目指し、午前と午後とに子どもたちを分けて、授業形式の学習を行っている。
小針中には全学年で計約830人の生徒がいる。各クラスを名簿番号の偶数、奇数で“分割”している。
学習内容は教科ごとで教員が議論して決めた。例えば数学は積み重ねが重視されるとの考えから、復習プリントを中心とした。一方、理科は分野が化学や生物、物理、地学と分かれているため、一部は新しい内容にも踏み込んで進める-といった案配だ。
小針中の白石誠史郎校長は「(新型ウイルスという)誰も経験したことがない状況であり、何が正解かは分からない。授業が遅れている焦りはあるが、生徒に『学校での勉強が楽しい』と改めて感じてもらうことが大切だと思う」と語る。

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午前学習が終わった11時すぎ。3年生が体育館やグラウンドなどに部活動ごとに集まってきた。
サッカー部では顧問の有坂学教諭が、表情に悔しさをにじませる3年生部員にこう語り掛けた。「大会は中止になったが、ここで終わりではない。これまでやってきた努力に、自信と誇りを持ってほしい」-。
感染を防ぐ観点で、生徒が目標としてきた大会やコンクールの多くが中止になった。「最後の年」にこれまでの努力をぶつけようという思いが強かった3年生のショックは大きい。こうした中、小針中で部活動を統括する佐藤勉教諭は、思いをケアする場として「部活動集会」の開催を各部に提起した。
野球部の部活動集会では、涙を流す生徒の姿もあった。主将は「みんなで大会に出たかった。悔しい。主将として気持ちを切り替えたい」と声を振り絞った。
12、13日の登校日に校内放送でも「みなさんの切ない気持ちは、痛いほどよく分かります」と呼び掛けた佐藤教諭。今、こう語る。「生徒がどう感じているかを大切にし、これからもサポートしていきたい」

2020年5月18日

 

写真=小針中の「部活動集会」で野球部顧問の話に耳を傾ける3年生部員=新潟市西区

 

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