子育おすすめ記事

2020.5.3

[NIE 実践委嘱校リポート・研究を終えて]学びを広げる架け橋に

新聞活用教育(NIE)の実践校(県推進協議会委嘱)としての研究を2019年度で終えた学校から、成果をまとめたリポートを寄せてもらいました。水原小(阿賀野市)、小川小(村上市)、東山の下小(新潟市東区)、妙高中(妙高市)、中条中(胎内市)、阿賀黎明高(阿賀町)の6校の取り組みを振り返り、NIEの可能性を考えます。(執筆した先生の所属は3月末のものです)

◎水原小(阿賀野) 社会問題への関心喚起

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業実践と子どもが新聞に親しむための日常活動を通して、新聞の効果的な活用方法を探ってきました。
新聞を活用する授業は、「課題を設定する」「考える材料にする」「考えを確かにする」という視点を基に構想し、実践しました。
日常活動では、週に1回、全学年が新聞に親しむ「NIEタイム」に取り組みました。「語彙の充実・言葉の使い方」や、「関連させたり選択したりしながら読む力」を身に付けられるよう工夫しました。
11月の研究発表会では、全学年でNIEタイムを公開したほか、5年生が授業公開を行いました。5年生の授業では、携帯電話の普及によって起こるデメリットを新聞記事から読み取りました。それを根拠にして、今後の携帯電話との付き合い方について、自分の考えをもちました。
2年間の研究から、新聞は子どもの学習意欲を高めたり、社会の問題や出来事に関心をもたせたりするために有効な手段として活用できることが分かりました。今後も新聞を活用しながら、授業力の向上を目指していきます。
(水原小・古谷和也)

◎東山の下小(新潟東区) 地元貢献の思い深める

「コミュケーション力の育成」を研究主題とした3年間の実践研究を通して次の成果がありました。
1点目は、児童が新聞を読むことが好きになり、必要感をもって情報を収集・発信したり、話し合ったりする力を高めたことです。
2点目は、教師が新聞の特性や新聞を活用した授業への理解を深め、児童のコミュニケーション力を高める授業設計力や授業力、学校全体の言語環境をデザインする力を高めたことです。
3点目は、新聞を活用した学習を通して、地域の歴史や成り立ちを知り、地域の人との信頼関係を深め、協力して安心安全なくらしを目指すなど、地域とのつながりを深めたことです。
特に創立70周年を迎えた2019年度は、学校や地域に関する過去の記事をひもとき、現在の姿と比較したり今ある問題を解決するためのヒントを見いだしたり、大いに活用しました。
その中で3年生は、学校の松並木は新潟地震からの復興記念として地域の方が半年間かけて植樹したものだという事実をつきとめました。児童は学校・地域への愛着を深め、地域貢献への思いを深めました。
(東山の下小・渡邉裕子)

◎中条中(胎内) 働くことの意義考える

「自己の生き方を考えたり、他と交流した考えを比較しながら、思考力・判断力・表現力を高める」を研究主題として2年間、総合的な学習の時間を中核として、教科横断的な視点でキャリア学習を実践してきました。
1年生は胎内キャリア学習、2年生は職場体験、3年生は上級学校訪問を体験し、学んだことを新聞形式でまとめる「新聞作成型」授業を行いました。
また、新聞記事から、職業観や勤労観、さらに社会の実態を捉えて働くことの意義について考える「新聞活用型」授業も展開してきました。
11月の研究発表会では、各学年で「働く上で大切なことは何か」「そのために今できることは何か」という問いに対して、クラスメートと議論し、自分の考えを深めることができました。
学校教育の中で新聞を活用することで生徒は社会とのつながりを意識して、自分の将来を真剣に考えるようになりました。
今後も積極的に新聞を活用し、生徒のキャリアプランニング能力を伸長させていきたいです。
(中条中・海老名崇)

◎小川小(村上) 工夫次第で驚きや興味

「学びを深め、人や社会とつながる子の育成」を研究主題として取り組みました。その中で、新聞を活用する場面を「事前」「授業」「事後」の三つに分類し、有効な活用方法を研究してきました。
「事前活用」では、朝活動などで授業前に授業と関連した記事を読ませることで、記事や学習内容に対しての子どもの興味関心を高めることができました。
「授業活用」では、記事の注目させたい部分を隠すなど工夫して提示することで、子どもたちの驚きや興味を引き出し、学習内容への「問い」や「願い」をもたせることができました。
「事後活用」では、授業後に書いた作文などを新聞に投稿したり、地域に向け発信したりしました。自分の書いたものが新聞に載ったり、地域の方々に認められたりすることで自信がつき、意欲的に学習に取り組む姿が見られました。
これらの取り組みによって、地域・社会への「関心」や「貢献意識」を示す子どもの割合はともに30%以上向上しました。この2年間のNIE実践・研究の成果を今後も日々の教育活動の中で生かし、さらなる授業改善を進めていきたいと思います。
(小川小・栗木勇)

◎妙高中(妙高) 地域の将来語る材料に

研究主題「NIEを通して、地域に学び、地域とともに生きる生徒の育成」のもと、生徒が地域を深く考える教材として新聞活用の可能性を探ってきました。
妙高に関わる記事を妙高ニュースとして放送委員が伝え、各学年のNIEコーナーには妙高に関わる記事を掲示して生徒が地域を知る機会をつくりました。
3年生は地域住民との「妙高の将来を語る会」の場面で新聞を活用しました。
まず、班ごとに地域の魅力や課題を再考し、学習テーマ(観光や土地活用など)を決めました。また、テーマに関わる記事を収集して地域の過去や現在の様子を調べました。そして、「未来のカタチ」(地域活性化プラン)を考え、地域のコメンテーターに提案し議論しました。対話場面では、記事を資料として活用しました。
研究の成果として、地域密着型の記事やコラムの活用は、地域を知る・学ぶ機会をつくることに効果的でした。また、記事を対話の根拠とすることで、対話に深まりが見られました。さらに、新聞が地域と生徒の学びを結ぶ架け橋としてなりました。(妙高中・丸山信昭)

◎阿賀黎明高(阿賀) 意見を表現する力向上

「新聞記事から現代の課題を知り、自らの意見を考える教育の実践~自ら生活情報を活用し、学び続けることを意識させる」ことを主題に、新聞スクラップリレーや新聞の読解力と表現力を高める朝学習などに取り組みました。
生徒は週替わりで6紙の新聞を読みました。記事のテーマが同じでも新聞社によって伝え方が違う、新聞社それぞれの独自性を知ることができました。
研究発表会の授業では、家庭生活の視点で記事を読み、男性の育休取得などライフスタイルを考えました。そのような取り組みを通して、学校生活で新聞記事を話題にする生徒も見られるようになりました。
NIEの実践により、自分の意見を文章や口頭で表現する力が向上しました。
教室に新聞があることの意義は大きいと思います。自らの生活に目を向け、社会の出来事に関心をもてるよう、今後も教育活動に新聞を活用します。
また、阿賀町に関する記事を集め地元に関心をよせたことは、本校の学校設定科目「地域学」および総合的な探究の時間「阿賀学」の学習活動に生きると考えます。
(阿賀黎明高・伊藤美恵子)

 

記事一覧に戻る

記事一覧

今ならトライアルセットを無料でお届けします!

トライアルセットを申し込む

新潟日報の購読を申し込む