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2020.4.14

[変わる学び 第2部 どうなる?どうする?新学習指導要領]4 外国語活動(小学3、4年) 早まる学習開始年齢 新たな教育格差懸念も

これまで小学5、6年生で行われてきた英語に親しむ「外国語活動」が、2020年度からは3、4年に前倒しされる。英語に触れる授業が早まる中、幼児期から英会話教室に通わせるなど、県内保護者の教育熱が高まっている。
新潟市中央区の英語幼児保育・学童施設「グローバル・ツリー・インターナショナルスクール」。幼稚園や保育園帰りの子どもが2時間、ゲームなどを通じて英語に触れる。外国人講師が「little」な物を挙げるよう英語で聞くと、「I know!」と次々に手を挙げる子どもたち。「cat」「ant(アリ)」…。スラスラと単語を口にした。
スクール代表の岩崎ひとみさん(32)は「幼い子ほど柔軟に英語を吸収する。発音も上手ですごく伸びる」と幼児期の英語教育の大切さを語る。
今春からは未就学児約60人と小学生約80人が受講する。教育熱の高まりで、9割が週2回以上通い、曜日によってキャンセル待ちになるという。保護者からも「英語の歌を自然に口ずさむ」と好評だ。
月謝は週3回だと約4万円。安くはない授業料だが、4歳の娘を通わせる同区の主婦(44)は「気後れせず英語を話せるようになってほしい。費用が高いとは思わない」と話す。

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新潟日報社が昨年11月から1月まで実施した教育アンケートでも、授業・学習内容の変化で関心がある項目で、「英語教育の強化」を選んだ人は最多だった。
自由記述では、「日本語や道徳を学ぶのが先」(新発田市・50代男性)との意見もあったが、「英語はもはやできて当たり前の時代になる」(五泉市・30代女性)など、英語の必要性を訴える声が多く届いた。
「ラグビーボール英会話」(新潟市西区)の運営代表、小武内朋之さん(48)は、学習開始年齢が年々早まっていると実感している。「英語に慣れてほしいという期待や、将来、苦労させたくないという親心がある」と話す。
少子化の中でも、小学生以下の英検志願者数は年々増加。インターネットで外国人と対話する「オンライン英会話」の子ども専用サービスも浸透してきた。小学校での英語教育について「普段から校外で英語を学ぶ児童は、物足りなさを感じるかもしれない」と小武内さんは打ち明ける。

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心に留めなければならないデータもある。小中高生と保護者を対象に県が昨年実施した生活実態調査(速報値)によると、有料の学習塾や習い事に通わせているのは、それぞれ約29%と約39%。「経済的にできない」としたのは塾が約15%、習い事が約12%だった。
上越市で無料塾「キッズスマイル」を開く関根直樹さん(41)は、英語教育熱の高まりについて「また一つ、教育格差を生み出す要因になる」と指摘する。
経済的理由で塾に通えない小中学生らの学習支援をしてきた関根さんは、「英語を習得できるかは本人のやる気次第。でも、低所得世帯は学習面で、一歩引いてしまう」と打ち明ける。
裕福な家庭の子どもは英会話教室に通うことができ、小学校の英語授業が始まる時点で既に差が付くことも予想される。関根さんは訴える。「大人は子どもたちを取り巻く環境や教育格差の問題に向き合い、真剣に考えなければならない」

2020年4月8日

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