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2019.10.1

大学共通テ英語民間試験 県内 国公立5校、私立7校が活用 2校見送り、5校は未定

2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語民間検定試験について、現時点では県内19大学のうち国公立5校と私立7校が活用する方針で、公立と私立各1校が活用しない方針であることが9月26日、分かった=表参照=。活用の有無が「未定」なのは私立5校。民間試験の受験開始が来年4月に迫る中、文部科学省は9月中に方針を決めるよう通知している。

活用する大学のうち、県立大は民間試験の受験を必須とし、成績を点数化して合否判定に使う。配点などは10月下旬にも大学のホームページなどで公表する。
新潟大と長岡技術科学大、長岡造形大は既に民間試験の成績を共通テストの英語得点などに加点する方針を明らかにしている。新大、技科大が民間試験を課す一方、造形大は受験を任意としている。上越教育大は一定以上の成績取得を出願資格とし、成績に応じた加点はしない。
これに対し、県立看護大は民間試験の実施態勢が整っていないことなどを理由に初年度の活用を見送った。
私大では、共通テスト利用の試験区分で英語民間試験を活用する方針なのは新潟医療福祉大、新潟青陵大など現時点で7校。このうち長岡大と新潟リハビリテーション大が加点方針とするが、残りは「未定」だ。
新潟薬科大は共通テストの試験区分では活用しないが、学校独自の入試では試験の成績を活用する。

◎県内大学対応分かれる 私大、競合校を注視

大学入学共通テストの英語民間検定試験を巡り、県内大学の活用方法や対応が分かれている。制度の公平性や実施体制への不安の声が上がる中、各大学は判断に苦慮。国公立大が相次いで活用方針を打ち出す一方、多くの私大は競合校の動向を注視し、慎重に検討を進める。
県立大は9月中旬、民間試験の受験を出願の必須要件とすることを公表した。入試広報課は「英語をはじめ、外国語教育に力を入れている。入試段階から英語4技能の能力をみて、評価したいと考えた」とする。
民間試験の成績は語学力の国際標準規格「CEFR(セファール)」で「熟練」のC2から「基礎段階」のA1まで6段階評価に置き換わり、大学側に提供される。活用法は各大学が決めるが、国立大学協会は民間試験を受験生に課すとする基本方針を示している。
ただ内容や特徴が異なる試験の成績をCEFRに当てはめ、合否判定に使うことに異論もある。
上越教育大はこうした状況を踏まえ、「A1」以上の取得を出願資格とした。A1は国が中学卒業時点の目安とする能力で、大学を目指す高校生の大半が達していると想定されるレベルだ。「国立大協の基本方針に沿いつつ、民間試験の成績が合否判定に与える影響を抑える方法を選んだ」と入試担当者は話す。
県立看護大は全面的に活用しない。試験の詳細な情報が明らかにならない点などを問題視し、初年度の活用を見送った。
英語民間試験の活用を巡っては8月末、私大を中心に全国の4年制大学の3割が利用の有無を「未定」としていることが明らかになった。教育現場からは不安解消を求める声が高まっている。
ただ、共通テストが関門となる国公立大と異なり、小規模な私大は推薦や、独自に行う一般入試の募集人員が多く、方針決定を先延ばししても受験生への影響は限定的との見方もある。
ある私大の入試担当者は「学力検査でなく、推薦やアドミッション・オフィス(AO)入試の希望者が圧倒的に多い。国公立大と足並みをそろえるのは無理があるのでは」とみる。
少子化の中、地方の私大は学生の確保に苦戦している。「活用方法により、受験生に敬遠されるかもしれない」と別の私大の担当者。競合校や教育現場の動向を注視しつつ、複数の私大が「方針変更もあり得る」とし、詳細な活用法は「年内をめどに公表したい」とするところもある。県内全大学の方針が出そろうのは時間がかかりそうだ。

<大学入学共通テストの英語民間検定試験> 「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測る目的がある。初年度は2020年4~12月、「英検」など6団体7種類の試験から最大2回受験できる。9月18日に英検の予約申し込みが始まったが、まだ申込日や会場が未公表の民間試験がある。居住地や家計状況が受験機会に影響することも問題視される。一方、文部科学省は8月、大学の活用法を紹介するポータルサイトを公開したが、空欄や未定が目立った。教育現場で不安や混乱が広がる中、全国高等学校長協会は文科省に延期を要望した。

2019年9月27日

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