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2019.9.10

なぜ?なに?教育改革 11  NIEコーディネーター・関口修司さんに聞く(中) 論理的思考支える読解力

-新しい学習指導要領を見ると、これまでとは違った視点を取り入れている部分があります。例えば2020年度から小学校でプログラミング教育が必修となりました。
プログラミングは別にロボットを動かすのが目的じゃない。課題を解決するために、順序立てて物事を考えるのがプログラミング的思考で、何が事実かを判断しながら、その上でどういう手順で進めれば結論まで持っていけるかという論理的な思考を身につけさせるのが一番大切なところです。それには少なくとも論理的な文章の読解ができないとダメなわけで、それが求められていると言えると思います。

<実用的文書まず理解>

-論理的な思考のために重要なものの一つが読解力ということでしょうか。
これまでの国語は、読解力というと文学的なものを読み解くことを指し、現在でも高校の授業は多くの時間をかけています。でも「文学も大事だけれど論理的な文章や実用的な文章もきちっと読めるようにしましょう」というのが今回の教育改革の流れです。
-文学作品を読む力と実用的な文章を読む力はどのように違うのでしょう。
文学では作者の意図や登場人物の心情を推し量るため「行間を読む」こともあると思いますが、論理的な文書、特に実用的な文書は「何を伝えるか」が大事で、それをピンポイントで捉えることが重要です。文章を的確に要約する力、キーワードを抽出する力が、これからは求められてくると思います。
-国語の勉強のために、子どものころから「小説などの文学作品を読みなさい」と言われたことのある人は多いと思います。
文学を否定するつもりは全くありませんが、それはやはり社会の要請なんだと思います。従来の読解力だけではダメで、実用的な文書ももっときちんと読みこなせるようにしないといけないんだと。日本人はマニュアルを書くのが下手だしマニュアルを読むのも下手だと指摘されています。

<必要な知識の獲得を>

-広報が目的のポスターや法令文など、実用的な文章を読み解く問題が、大学入学共通テストの試行調査でも出題されていました。
今まで見過ごされがちだった地図や表、グラフなどを読み取る力は、国語であっても求められるということなんですね。そういう文書以外の資料を、意図的に読み取らせることも大事で、それが読解力を養うことになるのだと思います。
-国語以外の教科はどうでしょう。
算数や数学に関しても同じです。計算は電卓に任せればよいわけですから、やっぱりそこでも論理的な思考が問われます。私が問題を見て感じるのは、「なんて意地悪なんだ」って思うぐらい問題の文章が長い。「問題1」に、設問1、設問2、設問3、設問4…とあって全部で4、5ページにもつながる。そうすると、長い文章を読むのが嫌な子はそこでだいたい諦めちゃいます。丁寧に読み解いてあげれば多くの子たちが解けるような、そんな難しい問題じゃないんですけど、なにしろ文章が長いので、普段から慣れてないと読みこなせない。ですから、結局読解力のある子は算数・数学の成績も高いんですよ。
-試行調査の数学の問題では、日常生活や社会問題に関連付けたものもありました。
「社会に開かれた教育課程」というキーワードが新学習指導要領にあって、その狙いの一つが「これからの社会で何が必要なのかを常に意識して学ばせる」ということです。算数でもただ計算をするより、「水不足問題」を示すグラフを使って考えさせるなど、社会生活と関連するような問題が多くなっています。
-そういった試みが目指しているものは何なのでしょう。
要するに学ぶことの必然性を子どもたちに認識させようということなんですね。計算の解き方をただ覚えるのではなくて「生きていくために必要な知識を知らなかったら社会に出た時に不自由しますよ」ということを常に意識して学ばせる。そういう点がこれからも重視され、授業もそれを意識して行われるようになると思います。

2019年9月8日

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